短歌を詠む:三浦宗美〔比野平〕さん(高23回)
三浦さんの詠まれた歌が、新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」にて読み上げられました。
儀式次第は、YouTubeに動画がありますし、NHKの総合テレビにて、全国に生中継されたこともあり、ご覧になられた方もおられることと思います。
NHKの生中継ではアナウンサーが式次第を実況し、披講(※)の最中に詠まれている歌の背景などを解説していたそうです。
ことしの「歌会始」のお題は「窓」で、全国と海外から合わせて1万4000首近くの短歌が寄せられたそうで、このうち、三浦さんを含む入選された10名の歌が歌会始で読み上げられました。
さて、三浦さんの歌ですが夫を亡くしても変わらない情景を詠んでおられます。
つま ととせ
夫逝きて十年を過ぎし今もまだ
窓のそとには灰皿のある
三浦さんの歌の読み上げの際、三浦さんの方をしっかり見つめながら時折頷かれる両陛下のご様子や、マスク越しに見せる三浦さんの上品さ謙虚さが印象的でした。
歌会始が執り行われた後、三浦さんが感想を述べておられます。
「いまだに少し信じられないところがあり、両陛下や皇族方の前で歌が歌われたことはとてもありがたかったですが、この感動はもう少しあとになってから湧いてくるんじゃないかという気がします。亡くなった夫のことを歌に入れていて、歌会始のあと、皇
后さまから『きっとご主人はどこかで見てらっしゃるんでしょうね』とおっしゃっていただきました。両陛下は、とても穏やかであたたかい、包み込まれるようなお人柄だと感じました。」
三浦さんは東京にお住まいということもあり、同窓会総会・懇親会にてお会いするのは難しいかもしれませんが、毎年6月に開催される東京支部の総会「卒業生の集い」にはよくご参加されているそうですので、お近くにお住まいの同窓生の皆様には直接三浦さんのお話を伺うチャンスがありそうです。
編集:塩尻 隆夫(高 41 回)
(※)歌会において一定の作法によって和歌を読み上げ、歌うこと
歌会始での三浦さん
(2022年1月18日)皇居・宮殿・松の間